さらばメダリオン・その1

こんにちは。
ちょっとメダリオンの準備が怪しくなってきたのと、終了のこともあり、どんな形を目指して作ってきたのか、メモを残しておきたいと思います。

 

  1. 巨人の王
  2. まずはちょこちょこ出てくる「巨人の王」について。

    いわゆる「テューポーン」ですね。
    FFシリーズを始め、様々なゲームに登場しているのでゲーマーの皆さんなら一度は見たことあるはず。
    諸説ありますが、メダリオンではオーソドックスに、
    「形勢不利になった巨人勢を助けるため、大女神ガイアがタルタロスと交わって誕生した」
    ことになっています。時間軸ではギガントマキアの終わりの頃です。

    巨大なその姿は天を超えて星に届くほど。
    数多くの頭や腕を持ち下半身が大蛇で、疲れ知らずで暴れまわり、火を吐き、暴風を巻き起こす1
    ケルベロスやスフィンクスなど、数多くの怪物の父となったとも言われますが、要するに古代神話世界で最大最強のキメラのようです。

    最近だと「Prey」というFPS探索ゲームで舞台となる宇宙ステーションに「テイフォン(現代ギリシャ語読み?)」という怪物が出てきますが、様々な形態を取ることからこれもそうかも。

    ギリシャ神話のギガントマキアでは、オリンポス山に踏み込まれた神々が散り散りに逃げ去り、唯一戦いを挑んだゼウスは数多の雷霆をぶつけますが相手は不死身。敗北したうえに手足の腱を切られて強力な門番付きで岩山に幽閉されてしまいます。

    ヘルメスの機転で腱を取り戻し復活2したゼウスは 、投げつけた山や島の下敷きにして封印します。これが後のエトナ山(活火山)で、それゆえ今も火を吐いているとか。

    メダリオンでは、王を押さえ込む神々の封印を巨人たちが解いて回るという設定になっています。

    初期版では巨人を討伐しつつもせっせとメダリオンにカードを溜め込み、後半パートの「巨人の王」戦で最終決戦を行う仕組みでした3

    なお、テューポーン討伐に関しては、(温羅之末にも繋がる)拙作「モイラ」の名前の由来となった運命の女神たちがこっそりと活躍しています。

     

  3. 巨人と神々
  4. 「何故、人間の英雄たちなのか?」

    ギリシャ神話では度々「予言の強制力」というものが登場します。
    「あなたの息子がいつの日かあなたを殺し、王位を奪う」
    あたりは最もポピュラーで、王様がどんな対策しても「槍を投げたら偶然そこに王様が居た」くらいの運命のいたずらで予言は達成されます4

    じゃあ、(ゼウスたちの母でもある)始祖の大女神ガイアクラスになるとどうなるかというと、オリンポスの神々でも巨人たちに勝てないという呪縛から逃れられないんですね。神様なのに。
    そう、呪いです。既に世界法則改変のレベル。

    神々はどうしたかというと、(さすがに素の人間のままでは勝てないので)人間と交わり、半神の英雄を生み出すわけです。
    神々の血が入っていて超人だけど、半分は人間だから呪いはノーカンね!という男らしさ。
    (ちなみに最終的にはヘーラクレース無双となり、対抗してテューポーンが登場します)

    一応、大女神ガイアも「巨人が人間に対して不死となる薬草」を生やしますが、神々が先手を打って刈り取ってしまいます。
    ここでキーワードですが、「鎌」です。

    ゼウスの持つ「アダマス(の鎌)」あるいは「ハルパー」はおそらく最上位の不死殺しですが、よくある死神が持つ鎌も「命を刈り取る」意味が込められています。
    これらのエピソードもあって、ゲーム中には「鎌」というアクションカードが登場します。鎌以外の理由については後ほど。

     

  5. そして英雄たち
  6. ここで一度、ギガントマキアの流れを整理します。

    本来のギリシャ神話では、
    大女神ガイアの宣戦布告(と予言)>英雄の誕生>巨人劣勢>テューポーン登場>ゼウス敗退~復活>テューポーン封印
    となっていて、一方メダリオンでは、
    大女神ガイアの宣戦布告(と予言)>英雄の誕生(メダリオンの製造)>巨人劣勢>テューポーン登場>ゼウス敗退~復活>テューポーン封印
    と、英雄の誕生とともにメダリオンが贈られ、最後のテューポーン封印~数十年の時間、失われながらも伝えられたメダリオンを手に、生き残った巨人族と戦う英雄たちの物語が描かれています。

    本作メダリオン中にはオリンポス12神の血を引く存在として12名の英雄が登場します。
    (特にゲーム開始当初は)不完全ながらも祖となる神のエピソードにちなんだ特殊効果「ギフト5」を持っているので、そのあたりも楽しんでもらえたら嬉しいです。

    ゲームとしては長く続くこの巨人戦争で英雄3世代を切り取った形になっています。実際にはもっと長く巨人族と戦っている一族、一門かもしれませんし、必ずしも親子ではなく師弟関係なのかもしれません。
    今回の3代目で英雄の血は途絶え、また一つメダリオンは失われてしまったかもしれません。
    先代たちの知恵と技、経験を記憶したメダリオンを握りしめ、英雄たちは民衆を守るべく研鑽を積み、神性を目覚めさせ、戦いの人生を歩む…そんなゲームです。

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  1. テューポーン=Typhon=Typhoon(台風)説。
  2. 何かSFチックな解釈が出来そう…
  3. ゲームとして重くなる&システムをフォーカスするためにバッサリ切った
  4. ちなみにゼウスの時は、王位を奪われることを恐れた父クロノスが、神々が生まれるたびに丸呑みにしましたがダメでした。
  5. 特殊な才能や秀でた能力を、「神からの贈り物」という意味でこう言うそうな。
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