ギリシャ神話には「王の世代交代劇」があります。
最初の王はウラノス、天空の神ですね。
地母神である女神ガイアとの間にクロノスを始めとするティターン神族をもうけますが、醜い姿1を嫌ってタルタロスに幽閉してしまいます。
自らの子を幽閉されたガイアは怒り、末弟であるクロノスにウラノス打倒を命じ、ウラノスはなんと闇討ちで性器を切り取られて倒されます2。
さて、次の王となったクロノスですが、やはり巨人(ギガース)たちを嫌って閉じ込めてしまいます。怒るガイア…さらにガイアに
「父親と同じように自らの子に討たれる」
と予言されてしまったため、生まれてくる子供たちを次々飲み込んでしまいます。
末弟であるゼウスだけは、母である女神レアーが石を布で包んで身代わりとします3。
(脱線)
ゼウスは末の子なのに、オリンポス12神のトップです。
どうも先に生まれた兄弟が飲み込まれ、(外に居たゼウスが1位として、その後)吐き出された順番で序列が決まっているようです。
(脱線終了)
クロノスをはじめとするティターン神族は手強く、ゼウスと兄弟神たち4は苦戦します。
ガイアの助言でタルタロスに閉じ込められていたギガースたちを開放し、味方につけて勝利しました。
このクロノスたち=ティターン神族との戦いが「ティタノマキア」ですね。
「王が子に倒されると予言され、数奇な運命によって実際に王権が奪われる」
このモチーフは後の人間の王家についても何度も登場しますが、創生以後の神話の時点で既に話に組み込まれているのが面白いですね。
さて、ティタノマキアに勝利し三番目の王となったゼウスですが、やっぱりというかギガースたちの扱いが悪く、例えばヘカトンケイルはタルタロスに封じたティターン神族の見張りとして(実質)地上から追われてしまいます。
そしてガイアは三度怒り、ギガースたちとゼウスたちオリンポスの神々との戦いが起こります。
これが「ギガントマキア」です。
長い前振り終了…そして次回へ続く(´ω`)!